緑内障の症状や後遺症、交通事故との関係を紹介

日本で失明の原因とされている病気の中で一番多いのが緑内障です。一般的に緑内障といえば高齢者に多い病気ですが、実は交通事故によって年齢に関係なく緑内障を発症してしまうことが稀にあります。特に少子化へ向かっている日本では、緑内障患者の割合が年々増えているのが現状です。

この記事では緑内障の症状や治療法、あまり知られていない交通事故との関係について紹介しています。


緑内障とは

緑内障は治す方法がないと言われている病気の一つで、網膜神経節細胞が死滅することで視覚が狭まる視野狭窄(視野欠損)を引き起こします。

2006年の発表では、緑内障がそれまで失明の原因1位だった糖尿病網膜症を抜きトップに躍り出ました。参考サイト…後遺症交通事故|アディーレ法律事務所

そして、2019年現在も1位を維持しているのです。緑内障の主な原因はよく分かっていません。目の奥にある視神経乳頭内の視神経を支えているコラーゲン組織「篩状板(しじょうばん)」が変形してしまいます。それにより篩状板の中を通っている視神経線維が圧迫されてしまうことにより、神経を通って届くはずだった栄養素が行き渡らなくなることから網膜神経節細胞が徐々に死滅してくのです。

症状は視野狭窄がほとんどですが、末期になるとほぼ失明した状態になってしまいます。初期の緑内障は視野狭窄が起こっていても見えない範囲が狭いため、反対の目が自動的に欠けた範囲を補ってくれるため自覚症状はありません。

これだけ聞くと急いで治療しなくても問題ないように思えますが、中期になると見えない範囲が2倍以上広がってしまいます。しかし、ゆっくりと広がっていくため気が付きにくいのです。ある程度まで進行し、人間ドックの視野検査や別の病気で眼科へ行ったときに発見されることがほとんどです。

緑内障と交通事故

とても患者数の多い緑内障ですが、日本緑内障学会緑内障疫学調査の発表によると、40歳以上の緑内障患者は20人に1人存在していることになります。

さらに緑内障患者のうち自覚症状がなく緑内障と診断された方は8割という結果が出ており、年を重ねるごとに緑内障を発症している割合が大きくなっているのです。全国47都道府県の40歳以上のドライバーを対象に調査を行ったところ、割合は発表されていませんが、進行度合い関係なく緑内障を発症しているドライバーのほとんどが自覚症状がありませんでした。

上記の通り緑内障は自覚症状がほとんどなく、知らないうちに視野が狭まっていくため、車の運転に支障が出やすくなり交通事故の原因にもなります。視野狭窄は視野の外周から内側に向かって始まることが普通です。中期まで進行すると実際に見えている範囲は、双眼鏡を通して見るように周囲に黒い枠が出てきます。

車の運転中は何度も目視で確認しなければならず、中でも車線変更時はサイドミラーで死角になる範囲を目視しなければいけません。緑内障の進行具合によっては目視したはずができておらず、斜め後ろから車が来ているのに車線変更をして事故を起こしてしまう危険が高くなります。

また、右折と左折の時に必要な横断歩道の確認も隅まで見渡すことが困難なため、歩行者を轢いてしまう危険があるのです。

緑内障の種類

緑内障という言葉はよく聞くけど緑内障の種類は聞いたことがないという方は多いのではないでしょうか。

実際に眼科で緑内障と診断されても、病名は単に緑内障となっていることがほとんどです。緑内障の種類は大きく分けて3つあり、原発緑内障と続発緑内障、発達緑内障に分けられます。

この項目では、後天性の原発緑内障と続発緑内障を紹介します。1つ目は、もっとも患者数が多く発症原因の分からない原発緑内障です。原発緑内障には房水という眼球を満たす水が流れる線維柱帯が詰まってしまうことで眼圧が上昇する原発開放隅角緑内障、隅角が狭くなり房水の流れが悪くなることで眼圧が上昇する原発閉塞隅角緑内障の2つがあります。

2つ目は、角膜の病気や外傷など他の疾患が原因で発症する続発緑内障です。交通事故などで虹彩に炎症が起きたり、傷付いてしまうことで眼圧が上昇し緑内障を発症します。また、アレルギーなどが原因で起こる目の炎症や、他の病気の治療で使用しているステロイドホルモン剤が原因で眼圧が上昇してしまい緑内障を発症することもあります。

緑内障の検査と治療法

人間ドックでは目の病気も調べることができますが、通常は視力検査しか行いません。緑内障を検査してもらうには視野検査を受ける必要がありますが、大抵はオプションとなっているため予約時に視野検査も追加してほしいことを伝える必要があります。

ちなみに視野検査は眼科でも受けることができます。特に40代以上の方は積極的に受けた方がいいでしょう。緑内障を発症してしまうと完治させることは絶望的で、進行を食い止めるために薬剤の投与やレーザー治療、手術を行います。

治療や手術によって眼圧を下降させ進行を抑えることが可能です。薬剤の投与で効果がなければレーザー治療、それ以降は外科手術で房水の流れを再建します。これらの治療を受けても再び眼圧が上昇する可能性が高く、人によっては数回手術を受ける方もいるほどです。

緑内障を最小限に抑えるためには初期状態で発見されることが大事と言われています。なぜなら、緑内障が原因で低下した視力は戻る可能性が僅かにありますが、一度欠けてしまった視野は元に戻らないからです。

外科手術や後遺症について

緑内障を発症しても、中期までなら薬剤の投与やレーザー治療で抑えることができますが、末期になると外科手術以外の治療法が無くなってしまいます。眼圧を下げるために白目部分に穴をあけて新しい房水の流れ道を作る濾過(ろか)手術をすることが一般的です。

いくつかある濾過手術の中で最も眼圧を下げやすいと言われているのが線維柱帯切除術です。線維柱帯切除術は非常に高度な技術が必要なため、腕のない医師が執刀すると眼圧が下がりすぎて脈絡膜剥離という後遺症を起こしてしまう可能性があります。

腕のいい医師を見つけるにはセカンドオピニオンは必須です。線維柱帯切除術には経験がとても大事なので、最低でも200件は線維柱帯切除術を行った医師を探す必要があります。また、術後の眼圧はどの程度の数値なら安定しているかを聞くことをおすすめします。

9~12mmHgと答えたらその医師を信頼してもいいでしょう。